新会社法、新株式会社のポイント

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新会社法、新株式会社の説明

新会社法とは

従来、会社の法律は、「商法会社編」「商法特例法」「有限会社法」などがあり、これらを総称して「会社法」と言っていました。
しかし、「会社法」と言う名前の法律ではありませんでした。
「会社法」は、文字通り「会社法」と言う名前ですが、従来の「会社法」と区別するため「新会社法」と呼ばれることもあります。

「会社法」の特徴は、
(1)最低資本金規制の完全撤廃
(2)有限会社制度の廃止
(3)機関設計の柔軟化
(4)会計参与の導入
(5)合同会社(日本版LLC)の導入
などが上げられます。

上記のことを簡単に説明しておきます。(小規模会社を対象にした説明です。

(1)最低資本金規制の完全撤廃

会社法施行前は、株式会社1000万円、有限会社300万円の資本金が必要でした。
しかし、新会社法では、理論的に0円の資本金でも設立できるようになり、資本金規制は完全撤廃になりました。

(理論的には、0円でもよいのですが、会計上は少なくとも当座の資金を資本金にした方がよいでしょう。設立後に鉛筆1本買ったら赤字というのは、あかしなことですから。また、資本金と別に法定費用(定款認証費用、登録免許税)や雑費(法人印、名刺その他)も当然必要になります。)

※資本金規制の特例=確認会社について
経済産業省の「確認会社」制度で、事実上資本金規制は撤廃されていることはご存知だと思います。ただし、この制度は、「創業者」の資格が、個人事業者及び代表権のある役員は除外され、また5年以内の増資義務があり、完全な資本金規制の撤廃ではありませんでした。

新法施行後は、確認会社は増資するか、解散事由の抹消登記をする必要があります。

(2)有限会社制度の廃止

会社法が施行されると、設立できる会社の種類が変わります。
施行前は、株式会社、有限会社、合資会社、合名会社でした。
施行後は、株式会社、合資会社、合名会社、合同会社(日本版LLC)になります。

※経済産業省所管の有限責任事業組合(日本版LLP)も平成17年に法案が成立しています。

つまり、有限会社は設立できなくなります。
ただし、施行までに設立された有限会社は、株式会社の特例(特例有限会社)として、現在の法律(有限会社法)によって規律され、そのまま存続できることになりました。

既存の有限会社は、新法施行されたからといって、特に何かする必要はありません。(一部例外あり)
(定款は読み替え規定によって自動的に変わります。しかし、新法に合わせて定款を変更することもお考え下さい。)
有限会社を株式会社に変える場合は、「組織変更」ではなく「商号変更」ですみます。(特例有限会社の解散登記、株式会社の設立登記を同時申請。)

(3)
機関設設計の柔軟化

「機関」というのは、株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会、会計監査人、会計参与及び委員会のことです。
施行前は、「小会社」の場合は、「株主総会+取締役会+監査役」でした。有限会社の場合は、「社員総会+取締役」でした。

新会社法では、機関設計のパターンは39通りですが、「株主総会+取締役」が必須機関となります。

起業、個人事業の機関設計の基本は、
(1)株主総会+取締役(株主と取締役が同じ人でもよいので、実質1人で設立できます。現行の有限会社の様な機関)
(2)株主総会+取締役会+監査役(つまり、従来ある株式会社の基本パターン。)
になるでしょう。

※中小会社で非公開会社(譲渡制限会社)という一般の比較的小さな株式会社の説明です。

(4)会計参与の導入

「会計参与」というのは、会社法374条に規定されているものです。取締役と共同して、計算書類を作成する機関のことです。会計参与には、税理士、税理士法人、公認会計士、公認会計士法人しかなれません。会計参与は、所謂顧問税理士もなれますが、会社内部の機関ですので、相当の責任を負います。

監査役とは別の機関ですが、監査役を置かず会計参与を置いたり、両方設置することもできます。

(5)
合同会社(日本版LLC)の導入

「合同会社」とは、出資額に関係なく利益配分を決めることができ、出資者の全会一致で議事を決める会社です。
欧米では、LLCと呼ばれています。
しかし、今回の制度では、法人課税されるので、欧米のように(構成員課税)設立ラッシュになることは、考えられません。
「人的会社」ですので、お金のある人とノウハウのある人が共同で会社を起こす時に一つの選択肢となりえますが、一般的なものになる可能性は余りないと思います。



会社法施行で会社設立が変わります。

(1)「類似調査が不要になった。」わけではない。

旧法では、既に登記された商号と同じ(或いは似ている)商号は、同一市区町村内では、登記できませんでした。
新法では「同一住所内」に変更されました。同じ住所に同じ商号(会社名)があるのは、混乱するからです。

そこで、同じ住所に同じ名前の会社があるかどうかは、容易にわかるので、「類似商号調査は不要」と書いてあるものもあります。
(複合商業ビルで、地番までで登記していることもあるので、要注意です。)

しかし、類似商号調査は、新法でも必要だと思います。
既存の会社と同じ商号にした場合、不当競争防止法などで損害賠償を請求されるおそれもあり、また、取引先、顧客などに見分けが付かず迷惑をかけることも出てきます。商標登録していることもあり、むしろ慎重に考えるべきです。

従って、類似商号調査は、実施するべきです。ただし、調査の仕方は多少楽になると思います。

(2)事業目的の書き方がある程度自由に

法務省は、事業目的についての厳格性を相当に緩和する方向を公表しています。(現時点では、完全に自由かどうかははっきりしません。)
従来どおり登記官の最終判断になるにせよ、「商業」「サービス業」などでも認められるようですので、大幅な緩和と言えます。

ただし、許認可の要件になっているような場合は、許認可行政庁に確認しておくべきです。

また、通常無関係な人が会社の登記簿を取得しません。
事業目的を見るのは、取引先、金融機関などですので、「自由化」と言っても、従来の基準から大幅に外れるような記載は、対外的に問題があります。

(3)出資金の払込が簡単に

出資金は、従来は金融機関に払い込みをお願いして、「保管証明」を発行してもらわなければなりませんでした。
金融機関によってはお願いしても断られることもありました。
また、資本金に応じて手数料も必要であり、別段預金(資本金を預かっている一時口座)からお金を引き出すには、登記簿謄本が必要でした。
(確認会社の場合は、通帳のコピーでOKでしたが。。)

新法では、募集設立だけ従来どおりとし、発起設立の場合は「払込金受入証明書」でOKになりました。
(これは、通帳のコピーでよい。)

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